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脳の病気を克服して理想の人生|病気を乗り越えよう

脳に原因がある病気の治療

悩む女性

脳機能を改善させる薬

心療内科や精神科といった精神医療では、目に見えない心を取り扱うだけに診断の難しさがあります。性格の問題として考えられていたことが実は心の病気だったという例も少なくありません。抽象的に見なされがちな精神疾患も、多くのケースでは脳に何らかの原因があるものです。心の病気を脳の病気と見なすことで、従来になかった新たな治療法の数々が生み出されてきました。薬物療法もその1つです。心療内科や精神科で使われる薬の多くは、実体の捉えにくい心に作用すると言うより、脳に直接作用し効き目を現します。薬の力で脳をある程度コントロールできるようになったのです。その代表的な例としてうつ病治療が挙げられます。抗うつ薬が発見されたのは今から50年以上も前のことです。脳内の神経伝達を媒介しているセロトニンやノルアドレナリンといった物質の活動低下がうつ病の原因と判明し、まず三環系抗うつ薬が実用化されました。抗うつ薬はその後も改良を続け、現在ではより高い治療効果が期待できるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)がうつ病治療の主流となっています。特効薬とも言える抗うつ薬によって、多くのうつ病患者が救われているのです。精神病と総称される病気の中でも、最も代表的な統合失調症はかつて不治の病と言われていました。しかしながらこの病気も、薬の力で治療が可能になってきています。幻想・妄想や幻覚といった症状も、脳の病気から生じた結果と考えることで治療への道が開けるのです。抗精神病薬やセロトニン・ドパミン遮断薬といった薬の作用によって、そうした症状も少しずつ改善していきます。電気ショック療法が行なわれるケースもあります。

薬物療法を支える治療

精神医療の分野でも身体疾患と同様、薬だけに頼るような治療法には問題があります。その点で精神疾患の治療は、身体疾患の治療以上に薬物療法を支えるための治療法が発達していると言えます。精神疾患は脳の病気と言っても、脳が司る心は薬の力だけではコントロールしきれません。そのために心療内科や精神科ではさまざまな治療を行なっているのです。薬物療法を支えてその効果をよりいっそう確実なものとするための治療には、心理療法や作業療法・心理教育・社会的治療などさまざまな種類があります。病院やクリニックによっても治療方針が異なるため、独自の治療法を実施している医療機関も少なくありません。精神疾患を治療していく上では家族の支えも必要となります。そのため患者さんの家族に対してカウセリングを行なう家族療法が多くのクリニックで採用されています。家庭環境を含めた環境調整に対する適切な指導も精神医療の重要な役割です。アルコール依存症や薬物依存症の治療では、同じ病気に苦しむ患者さん同士で支え合う取り組みも知られています。自閉症やアスペルガー症候群・ADHD(注意欠如多動性障害)といった発達障害の治療も、精神科の重要な役目の1つです。成人でも珍しくない発達障害は、脳の病気と考えることで治療の可能性が見えてきます。薬物療法で脳の機能回復が期待できる他、心理教育や環境調整療法も薬の効果をさらに高めてくれます。以上のように脳は心を司る特殊な臓器のため、精神医療ではアイデアに富んだユニークな方法が数多く生み出されてきました。心療内科や精神科では、こうしたさまざまな方法を駆使して患者さんの脳の状態を改善させているのです。